フリーダイバー菊本

魚突き、フリーダイビング、息止め、空家再生の話を書いていきます

マグロ海底引き込まれ事件の真相とは

どうも魚突き師の菊本です。

 

今日は、3年前沖縄県の某島において起きたマグロ海底引き込まれた事件の真相についてお話ししたいと思います。

 

それは僕がまだ魚突きデビュー間もない3年前の出来事でした。

 

 

 

沖縄の友達から魚突きのお誘い

 

その日、沖縄に移住した友達から、「こっちにはでかい魚がたくさんいるぞ、遊びに来なよ」と電話がありました。

 

僕は、その当時大阪に住んでいたため、福井や京都などの日本海を主戦場にしていたのですが、取れる魚の種類やサイズに少し飽きていたため、すぐに1週間の休みをとって遊びに行くことにしました。

 

そして道具は、日本海の穴突き用のモリでは戦えないと思い、沖縄用に長くて丈夫なモリを買って持っていくことにしました。

 

確か、暦は冬手前の11月だったのですが、沖縄の気候はとても暖かく、それだけでテンションが上がったのを覚えています。

 

そして、いざ潜ると、沖縄の海は本当に綺麗で、水面からでもターゲットにできそうな魚が何十匹と見え、より好み状態なのはとても興奮しました。

 

僕がよく潜ってた日本海は視界が悪いことも多く、かろうじて見える地形を頼りに、岩の下まで魚を探しに行ったりなどの空潜りが多く疲れてしまうことが多かったのですが、こちらはその心配は必要なさそうでした。

 

初魚種たくさんゲット

 

初日、初魚種となるヤガラ、イラブチャー、ツノマン、オオモンハタをとり満足の行く結果となりました。

 

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それにしてもヤガラよく突けたなw

 

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巨大魚ガーラ出現

 

そして二日目

 

沖縄の海にもだいぶ慣れてきた頃、目の前を巨大な魚が通り過ぎました。

 

「ガーラ」本名「カスミアジ」です。

 

多分、80センチは超えているでしょう。

 

日本海ではこんな魚見たことありません。

 

すぐに潜り込み、寄ろうとしたのですが、多分僕が殺気立ってるのでしょうw

神経質なガーラへは一切寄りつけません。

 

反省した僕は基本に立ち返り、殺気を消し、最小限のモーションで潜り込み、岩と一体化して、静かにガーラが寄ってくるのを待ちました。

 

そして、相手の警戒心が消え岩と同化してる僕の前を不覚にも通り過ぎようとした時、一瞬のチャンスを見逃さず、僕はモリを放ちました。

 

ぐさ!!

頭の後ろを貫通!

 

そして、見事取り込むことができました。

 

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巨大魚をゲットして嬉しそうな菊本

 

ちなみに友達はシガテラ毒があるという噂のバラハタをゲットし、捨てると思いきや構わず食べていました。

 

この野生児w

 

さらなる巨大魚マグロの群出現

三日目

 

お待たせしましたマグロ事件はこの日に起こります。

 

今日のポイントは人が来なそうな僻地に変えることにしました。

 

いつも通り磯からエントリーし友達と300メートル位のところまで泳いでいた時でした。

 

どこからともなく、どでかい魚の群が出現したのでした。

 

30匹くらいの群は、一番小さい個体でも昨日のガーラよりも一回りでかいサイズ、一番でかい個体は160センチくらいありました。

 

むっちりした流線型のフォルム、そう、マグロの群れです。

 

僕は、とても興奮し、間髪入れず15メートル付近まで潜り込み、昨日のガーラの経験を生かし、静かに殺気を消してじっとしていました。

 

そして、射程圏に一匹のマグロが入り込んできました。

 

一瞬打つか迷いましたが、せっかくのマグロ、もっと大きいのをとりたい欲が出て、なんと1m個体をスルーw

 

一回静かに水面に戻り、落ち着いて呼吸を整え、もう一度同じようにトライしました。

 

すると、次にきたのは130センチ級が射程圏に入ってきました。

 

一番大きいのをとりたかったけど、やむなし

 

これ以上待つことはできないと、思いっきりモリを打ち込みました。

 

ぐさ!!

 

モリ先はエラ付近に刺さり貫通こそしませんでしたが、割と深く突き刺さってるように見えました。

 

そして、

 

よし、マグロゲットだぜ!

 

と思う暇もなくマグロは狂ったようなスピードで海底に向かって走りだしたのです。

 

もちろん、モリで接続された僕を連れてw

 

僕の体は急に引っ張られたおかげで、かぶっていたウエットスーツのフードは瞬間的に脱げ、

 

モリは両手で思いっきり掴んでないとすっぽ抜けて持ってかれてしまう状況でした。

 

後から考えると、危険なのですぐにモリを手放すと言う手もあったのですけれども、その時はそんなこと考えられずに、

 

・このモリは高い

・沖縄滞在はあと4日ある、そして道具はこれ一つだ

・僕は素潜りには自信がある

 

という総合判断により、モリを限界まで掴み続けるという選択をとったのでした。

 

そんな僕の気持ちなど微塵も関係ないマグロは本能に任せてぐんぐんぐんと海底に潜っていきます。

 

その場所は幸い岩などがゴロゴロしてる場所ではなかったため、どこかに当たると事はなかったのですけれども、それと引き換えに深度が深かったので、マグロはいくらでも潜って行きました。

 

ところで、フリーダイビングの種目の一つでヴァリアブルウェイトというものがあります。

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この種目は、できるだけたくさんの重りを抱えてどのくらいの深さまで潜れるかを競うものなのですが、

 

まさに僕は今、天然のマグロを使ってヴァリアブルウェイトをしてる状態を経験しているのでした。

 

そんなことをしてる人は世界中で僕だけでしょう。

 

マグロから解放される?

 

そして1分間くらい海底に引きづり込まれたのでしょうか。

 

最後は刺さってたモリが偶然にも抜け、僕とマグロは切り離されることになったのです。

 

放心状態の僕は、フラフラと水面まで帰り、落ちつて呼吸して、今起きた出来事があまりにも強烈だったので、しばし呆然とすることになりました。

 

落ち着いた後に僕が思ったことは、

 

「くそ!マグロ取り損ねた」でしたw

 

横を見ると友達は水面でその様子をずっと見ていたらしく、腹を抱えていつまでも笑っていました。

 

世界仰天映像をリアルタイムで目撃したのでおかしくなっちゃったと思いますw

 

後日談

 

大阪に帰った後、経験の豊富なスピアフィッシャーにその話をしました。

 

すると、

 

「なんでそんな危ないことしたんですか!聞いたことないですよ、そんなしょぼいモリでフロートもなく130センチのマグロ突いた人なんて!」

 

と褒められましたw

 

今回は、道具の貧弱さ、準備不足によりしくじりました。

 

次回は十分な装備で挑みたいと思います。

 

皆さんも貧弱な装備でマグロに遭遇した時は是非とも気をつけてくださいね!

 

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